市民公開健康講座 「アイフレイル ~目の健康寿命を延ばすには~」 開催レポート
なんぶ眼科 南部裕之(奈良県生駒市)
奈良県生駒市では、医療や介護職の人材確保や長期継続雇用につながる環境について考えるイベントとして、「ケアリンピック生駒」が毎年開催されており、本年(2022年)は2月20日にありました。生駒地区医師会も共催しており、市民公開健康講座もイベントの1つとして行われております。その講演を依頼され、「アイフレイル」が市民健康講座としてふさわしいと考え、それを題材とさせていただきました。本来なら当日に講演する予定でしたが、事前収録して、ホームページからアクセスしYouTubeで約2週間配信されるという形に変更になりました。
講演内容としては、健康寿命、フレイル、アイフレイルなどの用語、眼球の構造について説明しました。その後、アイフレイル自己チェック10項目をお示し、これらの自己チェック項目から我々がどのような眼疾患を考えるのかをお話いたしました。例えば、白内障であれば、「1. 目が疲れやすくなった」、「3. 新聞や本を長時間見ることが少なくなった」、「5. 眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった」、「6. まぶしく感じやすい」を1枚のスライドにしてお見せし、特に「6. まぶしく感じやすい」は白内障を考えたい項目だとしました。このようにして、白内障のほか、老視、ドライアイ、緑内障、黄斑疾患(網膜前膜・加齢黄斑変性症・糖尿病や網膜静脈閉塞症による嚢胞様黄斑浮腫)を挙げて、当てはまると考えられる自己チェック項目を示しながら、各疾患の説明を致しました。講演収録の2週間前にNHKの「ガッテン」という番組で、Sagging eye syndromeが紹介されましたので、それについてもお話いたしました(考えられる自己チェック項目として、「1. 目が疲れやすくなった」「9. 段差や階段で危ないと感じたことがある」と致しました)。
本年の「ケアリンピック生駒」のホームページには「フレイル判定」のコーナーもありましたが、「アイフレイル」という用語を知らなかったとお話しされていた医師会の先生(内科)もいらっしゃいました。今回の講演に関してはポスターが作成され、生駒市の各町内会に回覧されたようで、「アイフレイル」という用語自体は少し浸透したのかもしれませんが、今後も引き続き啓発が必要かと感じております。