アイフレイルチェックリスト Ver. 1.1 (2023年11月改訂) ※いくつかの質問について尋ね方の表現を改変し、信頼性、妥当性のさらなる向上を図りました。
- あなたの目は今のところ健康です。変化を感じたら、またチェックしてください。
- 目の健康に懸念はありますが、直ちに問題があるわけではありません。
- アイフレイルかも知れません。一度、眼科専門医にご相談ください。
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目の中には水晶体といって、カメラのレンズに相当する部分があります。もともと水晶体は透明で、外から目の中に入ってきた光を屈折し、網膜にピントを合わせる役割をもっています。加齢によってこの水晶体が濁ってきてしまい、透明ではなくなった状態を白内障といいます。
白内障の症状は、目がぼやける、かすむというものが代表的ですが、他にも明るいところでまぶしい、メガネの度数が合わない、細かいものが見えない、ものがだぶって見える、などの症状が出ることもあります。見え方体験!
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緑内障は、目と脳をつなぐ視神経が障害され、徐々に視野が欠けてくる病気です。40歳以上の約20人に1人は緑内障と考えられていますので、決して珍しい病気ではありません。しかし、緑内障の初期では症状に気がつくことはほとんどありません。一旦、欠けてしまった視野が元に戻ることはありません。できるだけ早期に緑内障を発見し、点眼薬などにより眼圧を下げることによって、緑内障が進行しにくくすることが大切です。
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糖尿病網膜症は、糖尿病の人に起こる病気です。糖尿病により高血糖の状態が長く続くと、網膜の血管が弱くなって、小さな出血やむくみなどが出てきます。進行すると、網膜がむくんだり、硝子体に出血したり、網膜剥離を起こすなどして視力が低下し、ついには失明にまで至ることもあります。
糖尿病網膜症は糖尿病になってから何年も経ってから発症しますが、網膜症の初期には自覚症状がほとんどありません。視力低下や飛蚊症などの自覚症状が出てからでは、手遅れになる恐れがあります。糖尿病の人は、定期的に眼底検査を受けて進行状態をチェックしてください。見え方体験!
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加齢黄斑変性は、視力にとって一番大事な黄斑部に、出血や網膜剥離が現れる病気です。初期ではものがゆがんで見えたり、視野の真ん中が黒ずんで見えたりしたりすることが多いでしょう。しかし、片目だけの症状だったり、わずかな障害ではなかなか気づかないことが多いので、片目ずつチェックすることが有効です。最近では注射によって治療ができるようになりました。しかし、よい視力を維持するためには早期発見・早期治療が何よりも重要です。
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視力検査には、眼鏡をかけない状態で測定する裸眼視力検査と、レンズをつかって近視・遠視・乱視などをきちんと矯正した状態で測定する矯正視力検査があります。裸眼視力が悪くても矯正視力が良い場合には、眼鏡・コンタクトレンズで矯正することができます。しかし、矯正視力が悪い場合には、眼鏡・コンタクトレンズで矯正することはできません。目の病気が強く疑われますので、以下のような詳しい検査が必要です。
通常の視力検査は5mの距離で測定します。本を読んだりする場合には、30cm程度の距離で測定します。5mでの視力がよくても、近くが見にくい場合には老眼鏡をかけると見やすくなります。 -
外からは見ることができない眼の底を調べる検査です。昔のカメラに例えるとフィルムにあたる網膜や、網膜で感じた光を脳に伝える視神経をチェックすることができるのが眼底検査です。
眼底は血管を直接肉眼で観察できる唯一の場所です。 眼底の血管は全身の血管の健康状態を反映するため、高血圧や動脈硬化などを見つける手がかりとなります。また、糖尿病の合併症である網膜症などの目の病気も発見できます。
眼底は、一瞬眩しい光を目に当てる眼底カメラや、眩しさが少なくもっと詳しく状況を確認できる光断層干渉計といった器械を使って調べることもできます。
眼底の詳細な情報が必要な場合は、検査の前に目薬で瞳を大きく開いて(散瞳)、眼科医がレンズと光源を使って網膜の隅々まで検査をします。瞳の大きさが元に戻るのに半日程度かかりますので、検査の直後は車の運転は控えましょう。また視神経は、瞳を開かなくても、眼科医がレンズと光源を使って確認できます。
眼底検査は、緑内障や糖尿病網膜症といった自覚がでにくい病気のほか、加齢黄斑変性・網膜剥離などの網膜・視神経の病気では必ず行う検査です。 -
眼球の固さを測定する検査です。眼圧は機械の前に顔をおいた状態で目に弱い風を当てることで測定がきます。測定は10秒程度で終了し、痛みはありません。
眼圧が高いと緑内障が疑われます。しかし、眼圧は1日の中で変化しますので、測定した時に眼圧が正常範囲内であっても安心はできません。緑内障は視野検査・眼底検査・OCT検査などを行って総合的に診断します。 -
真っ直ぐ前を見ていて見える範囲を視野と言います。視野検査では、検査機械の前に座って、片目ずつ視野を測定します。視野検査には、数分から20分くらいの時間がかかりますが、痛み・眩しさなどは全くありません。
視野が徐々に欠けてくる緑内障では、大きく視野がかけた状態になって初めて気づくこともよくあります。視野が少しくらい狭くなっても、日常生活では気付かないことがよくありますので、視野検査は重要です。